紙を褒める。存在は強い。アフォーダンス。
最近、真面目に勉強するようになってから、紙媒体の良さが身に染みてきた。そもそもこの現実に物体として存在していること自体の意味がすさまじくでかい。それは空間的な記憶もできるし、何より存在が既に俺に話しかけている。アフォーダンス。ちょっとこれ記事に書くか。
— 瀬戸駿之介 (@setoshunnnosuke) 2019年10月26日
これはシンプルに電子書籍と紙書籍と置き換えてもらっても理解できると思う。
おさらいとしてざっくりとそれぞれのメリットデメリットについてまとめよう。(消費者の視点として)
それぞれのメリットデメリット
電子書籍
メリット
- テキスト検索に強い
- 細かく印刷できる
- スクラップなどの編集が容易
- (することないけど)他人に共有しやすい
- 重量0で場所も取らない
- マンガだとかはキレイに見れる
- ディスプレイが光る(暗所で灯り要らず)
デメリット
- 平面のディスプレイに縛られる。それを打破するには新たなディスプレイを用意する必要がある。(例えば目次や訳注などを見ながらページを行き来して読み進めるのが面倒)
- プラットフォームによってはプラットフォームの裁量で見れなくなったりする
紙書籍
メリット
- 空間的な理解ができる(本の厚み、ページめくりなど)
- 身体的なフィードバックがある。
- 特定のページに指を挟みながら読める(目次や訳注)
- 自室という空間に存在できる
デメリット
- 重くて場所を取る
※それぞれのメリットデメリットは表裏なので、面倒なところは書いてない。
紙を褒める
まあ、読むということ、コンテンツを受け取るということにおいて、紙が勝ってると思ってる。俺が電子書籍を選ぶ時はめっちゃ安いか、電子書籍しかないかの二つしかない。紙で買って電子書籍が欲しくなったら裁断して自炊するしね。
紙書籍を読む時に空間処理できるのが本当に強い。本の内容も本の前の方、後ろの方だとか、位置関係で覚えるのは定番だし、自室や本棚に置くこと自体が、その記憶のマップになるから、本をなおした位置で本の内容を覚えていたりもする。
そして、今日ふと気づいたのが、紙書籍は既に“そこに在る”ことが非常に大きい。例えば、仕事のデスクの上に引き出しに眠っているお菓子を置いて仕事をしてみてほしい。そうすればふとしたときに食べたくなってしまうだろう。目に入るところ在るということも大事だが、そこに存在しているということが非常に重要だ。
アフォーダンスという概念がある。Wikipediaにはこうある。
アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことである。アフォーダンスは、動物(有機体)に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値であると定義される。
平たく例えれば、ドアノブはドアノブ自身が「私を持って回してね」と話しかけているといった感じだ。
本もそのように存在しているということで、既に俺に話しかけている。それは本当に大きいように思う。
PCで仕事をしている人は、例えばフィジカルに存在できる仕事道具で仕事する人よりも、最初のとっかかりに使うエネルギーが大きいのではないだろうかと思う。少なくとも自分はそう感じる。それはPCは話しかけてくれないからだと思う。
ついでに紹介、まだ読んでないので後で読む。
そして、電子書籍が100年後もあるかどうかは怪しいが、紙は捨てなければ存在できる。そういう時間的な強さもある。それに関して書いた記事もある。
setoshunnosuke07.hatenablog.com